ハレとケ

MISSION

12月も中盤に入った。今年も残すところあとわずかで終わる。

猛威を振るったコロナウイルスの毒が、こうもいろんなものに波及し社会を蝕むとは… 悔しいが1年前には想像すら出来なかった。

今年は新型コロナウイルスの感染防止のために、春のさくらまつり、夏のねぷたまつり、そして、秋の弘前城菊と紅葉まつりと、弘前市が誇る四大まつりのうち3つのまつりの開催が中止となった。四大まつりは弘前の四季折々の風物詩として長い間、市民の生活密着してきた。その祭りが中止となり、季節はどんどん移り変わっていくものの、どこかいつもの季節感が感じられず、生活のサイクルに狂いが生じた人が多かったのではないだろうか。

民俗学者の柳田國男が唱えた日本人の伝統的な世界観のひとつに「ハレとケ」というのがある。

ハレは儀礼や祭、年中行事などの「非日常」のことであり、は普段の生活である「日常」を表している。

日本人は古来から、つつましい暮らしの中で日常と非日常を上手に使い分けて、生活を楽しむことをしてきた。人はハレの日がないと、知らず知らずのうちにメンタルや生活のリズムが狂い、ストレスがたまり、心身のバランスを崩す。コロナウイルス感染も脅威だが、コロナの影響でハレの日がなくなり、街や人の心が荒んだり、心身を壊し倒れる人が出るのも、これもまた脅威である。

人は喜びを分かち合ったり、ストレスを発散することができる「ハレ」の日があるからこそ、普段の日常、辛く我慢することの多い「ケ」の日を頑張れる。

今年1年を振り返ると、ケの日だけだった。やはり、どこかで心身をリセットするためにも日本人の暮らしにはこの「ハレとケ」のメリハリが必要だ。

しかし、コロナ禍での経済対策と感染防止対策の両立は本当難しい。みんなここに腐心している。

憎っくきコロナから街を守り、攻略するための課題・問題は多く、局面がどんどん変わりなかなか見通しが立たない苦しい状況が続いているが、来年は何とかして「ハレ」の日を、弘前ならではの「季節感」を「営み」を取り戻したい。

今年、弘前公園を閉鎖までしてみんなで我慢した津軽に春の到来を告げるハレの日「弘前さくらまつり」を来春開催するという思いを胸に、やれることをやるしかない。やって行く。

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