You May Dream

on the street

10代から20代前半にかけて私のライフワークはROCKBANDであった。

あの頃は九州地方のROCKBANDの全盛期で、九州発の憧れのBANDが幾つもあり影響を受けた。中でも鮎川誠とシーナ夫妻の「シーナ&ロケッツ」には個人的に思い入れが強い。

1986年ちょうど自分が二十歳の夏、私は仙台で行われた伝説のロックフェスロックンロールオリンピック86でこのシーナ&ロケッツと共演を果たした。シーナはお子さんがいるママさんロッカーの言わば先駆者で、そのロックンロールフィーリングは母性に溢れ、とかく過激になりがちなライブの現場で心地よい優しさと安心感を与えてくれた。シーナは残念ながら2015年に病気でこの世を去った。享年61歳であった。

2018年、そのシーナと鮎川誠の半生にスポットを当てたドラマがNHK福岡により制作されBSで放送された。シーナ役には、私の大好きな俳優・石橋凌と原田美枝子夫妻の次女〈石橋静河〉を抜擢。九州ROCK好きの私にとっては、個人的にテンションのあがる材料が多いこのドラマは当然見逃すはずがない。そのドラマは、シーナが博多で鮎川誠と出会い、結婚し、子育てをしながら歌うことになった経緯が描かれた秀逸な作品であった。

昨年、NHK青森から弘前を舞台にしたラジオドラマのシナリオハンティングのお手伝いの依頼があった。シナリオハンティングとは、脚本や台本を製作するために行う取材活動のことで、私は脚本家さんと一緒に弘前の街を歩き、弘前人の気風や営みについて説明させていただいたのだが、その脚本家さんのプロフィールを見てビックリ! その方はなんと鮎川誠とシーナ夫妻にスポットを当てたドラマ「You May Dream」の脚本を担当した〈葉月けめこ〉さんだったのだ。私の九州好きとシーナ&ロケッツ好きという共通話題もあり意気投合!楽しくシナハンをご一緒させていただいた。

その時のドラマが完成したらしく、一昨日NHKより、そのラジオドラマの概要についての情報が公開された。

題名は…「ねぷたの来ない夏に」~2020年、祭りが終わるはずだった日。不思議な声が私を呼んだ~

NHK FM2021220 午後10時~午後1050(1)放送。

出演者の中には平川市出身で今年公開が待たれるご当地・津軽を舞台にした映画「いとみち」のヒロイン役・駒井蓮ちゃんの名前も!

気になるあらすじは…

祭りが四季を彩る街、青森県弘前市。しかし2020年、祭りは来なかった。
東京から弘前の大学へ進学した美咲は、ろくに友達もできないまま、孤独な日々を送る羽目になっていた。中止となった「ねぷたまつり」最終日の8月7日、美咲は不思議な青年、律と出会う。なぜか美咲のことを知っている律は、弘前の街を巡りながら、彼女の悩みを解決しようとする。
美咲の弟、樹は同じ日、弘前のカフェで受験勉強をしていた。樹は店を切り盛りする女性、奏に声をかけられ、自分がカフェに来た理由を話し始める。いつもとは違う夏の日、次第にきょうだいの過去が明らかになっていき……。
あらゆる日常が崩れてしまった弘前を舞台に、四人の若者が「つながり」を見つめ直す物語。(NHKオーディオドラマHPから引用)

つい先日、昨年の3月に仕事の関係で弘前に移住してきたという人と出会った。その人から弘前にいろんな思いを馳せやってきたのだが、コロナのせいで楽しみにしていた春の桜まつりも、夏のねぷたまつりもお預けとなり、新しい環境での生活も行動範囲が制限され、何もできないという話を聞いて、いろいろと考えさせられた矢先だった。偶然にもこのドラマのあらすじはその話とシンクロする部分があり驚いた。コロナで日常が狂ってしまった人は多い。せっかく縁あって志を抱いて弘前にやってきたのに身動きがとれないこういった人たちのケアも必要だと痛感。何か出来ることがないか考えようと思う。

ぜひ、この弘前を舞台に描かれたラジオドラマ、NHK青森制作の全国ドラマなので、多くの人たちに聴いていただきたいと思う。今から楽しみだ。

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