あと数年で ねぷた文献登場300年

on the street

令和元年の「弘前ねぷたまつり」が昨日で終わった。

ねぷたが終われば津軽には秋風が吹く~~~と昔からいわれているが、どっこい今年の夏はまだまだ容赦ない。

今年は貴重な機会をいただいたので、この7日間、これまでできなかったことを可能な限りやってみた。多くの方々にお世話をいただき、地元町内会も含めて5団体のねぷた運行に参加。その合間を縫って、八戸三社大祭、五所川原立佞武多にも遠征、偵察を行った。青森県の夏祭りは同時期に行われるので、それぞれの地域の観光関連団体に従事している者は、隣町、他所の祭りを見ることがなかなか出来ない。本来、観光関連団体に従事している者は、勉強のためにも他所のお祭りの運営方法を一度きちんと見た方がいいと思うのだが、悲しいかな、猫の手も借りたいほどスタッフが不足していることから、実現が難しい。他所の観光関係者と懇談するたびに「お互い辛いよね~」と慰め合ってきたものだ。今回それを叶えるチャンスをいただいたので、いろいろと体験、遠征、調査に努めた。

やはり、生のねぷたまつりの運行参加は感動した。実に30年ぶりだったので感慨もひとしおだった。同時に、町内会のねぷた、有志の会のねぷた、いろんな人の生の声を聴くことができ、考えることも多かった。それぞれにそれぞれの「ねぷた論」、「改革論」があった。「なるほど!」と思うアイデアもいただいた。町内会に脈々と伝わるねぷた論や、時代性を捉えたねぷた論… どれもみな思いは尊い。

一方、他所の祭りもそれぞれ地域の気風、気質を感じ新鮮だった。隣の芝生は青く見えるものだが、いいところは大いに参考にしたい。しかしシビアな目で見れば私たちが知りえない地域の事情、課題も多そうだ。どこも暗中模索、試行錯誤を繰り返していると感じた。

弘前ねぷたも、ガムテープを貼っての場所とりをはじめとする観覧に関する問題、ねぷた団体の人不足、後継者不足問題等々… 課題は多岐に渡る。

弘前ねぷたまつりコンテストの審査委員長Y氏が3年前の表彰式の講評で語ったフレーズが頭をよぎる。

「大きなことを言わせてもらえば、弘前ねぷたまつりに参加している皆さんは、100年後の弘前(地域)のために『今』汗をかいているのです」

2022年弘前ねぷたは、文献(弘前藩庁「御国日記」)登場300年を迎える。

自分にできることを1つ1つやるしかない。

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